【高校化学|無機】#01水素と貴ガス

無機化学

この記事でわかること

  • 水素の作り方(実験室/工業)
  • 水素のはたらき(還元剤・化学原料・燃料電池)
  • 反応しにくい貴ガスの性質と用途

水素ってどんなやつ?(イメージ先行)

  • 世界最軽の気体。風船が浮くのはコレ。
  • 無色・無臭。燃えると水だけになる: 2H₂ + O₂ → 2H₂O
  • だから使うときはクリーン(排出が水だけ)。
    ※ただし作り方によってはCO₂が出る。ここが“現実ポイント”。

一言で:軽い・よく燃える・使うと水になる“シンプルな仕事人”。


水素はこう作る(覚え方=「金属+酸/メタン+水蒸気」)

実験室(少量・学校の世界)

  • 金属+酸 → 水素がプクプク
    例:
    Zn + 2HCl → ZnCl₂ + H₂
    Fe + H₂SO₄ → FeSO₄ + H₂
    ゆっくり反応する金属を選ぶ=安全第一

工業(大量・工場の世界)

  • メタン(天然ガス)+水蒸気 → H₂がドサッと出る(水蒸気改質)
    CH₄ + H₂O → CO + 3H₂
    できた CO+H₂水性ガスと呼ばれ、いろんな合成の出発点

一行暗記
少量は金属+酸大量はメタン+水蒸気


3. 水素はどこで使う?(“3大ジャンル”だけでOK)

① 還元剤(酸素を“はぎ取る”係)

  • 黒い酸化銅が赤い銅に戻る実験: CuO + H₂ → Cu + H₂O
    Al₂O₃/MgOみたいな強い酸化物は戻しにくい(ここは例外として覚える)。

② 化学工業の原料(材料の種)

  • アンモニア(肥料ほか):N₂ + 3H₂ → 2NH₃
  • メタノール(プラ・溶剤):CO + 2H₂ → CH₃OH
  • 塩化水素H₂ + Cl₂ → 2HCl

③ エネルギー(燃料電池)

  • 使うと水だけになるから使う側はクリーン
  • 車・家庭用発電などで実用化。
  • 作る段階のCO₂“作り方次第”と理解しておく。

4. 貴ガスって?(18族=“おとなしいメンバー”)

  • He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn(周期表18族
  • 電子配置が安定(閉殻)ほぼ反応しない
  • 単原子の気体として存在(分子を作らない)
  • 空気中ではArが約1%で比較的多い

イメージ:化学反応の“パーティ”に来ても静かに見守る来賓。邪魔をしない=用途が広い

よく出る用途だけ覚える

  • ヘリウム He:超低温(4.22 K)。液体HeMRIや実験の冷却/風船
  • アルゴン Ar溶接のシールドガス(金属が酸化されないよう保護の空気で包む)
  • (+α)ネオン Neネオン看板の光

5. よくある勘違いをサクッと修正

  • 水素=完全に環境にやさしい?
    使うときは◎。でも製造方法によってはCO₂が出る
  • 貴ガスは何もしないから役立たない?
    反応しないからこそ“守る・満たす”役で重要(溶接保護・冷却・照明など)。

6. まとめ(3行だけ)

  1. 水素は軽い・燃える・水になる少量=金属+酸/大量=メタン+水蒸気
  2. 使いみち:還元剤/化学原料/燃料電池(“使う時クリーン”をセットで)
  3. 貴ガス=18族で不活性He=冷やす/Ar=守る(溶接)/Ne=光る

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