価値の伝え方をストーリー化する手順
「性能はいいはずなのに、資料だと刺さらない」
BtoB製造業(化学・素材・部材・装置など)で、これは“あるある”です。
原因はシンプルで、資料が 自社の順番(仕様→性能→特徴) で書かれているから。
お客さんが納得する順番は、だいたい 相手の順番(困りごと→損失→判断基準→証拠→不安→次の一歩) です。
この記事では、営業資料を「刺さる形」に変えるための、価値をストーリー化する手順を、そのまま使えるテンプレ付きで解説します。
刺さる資料は「相手の頭の中の順番」で話している
BtoBの購入は、だいたいこんな流れで進みます。
- いま困ってる(課題)
- 放置するとまずい(損失・リスク)
- 何が原因?(理解)
- どうなれば成功?(ゴール・判断基準)
- じゃあ何を選べばいい?(比較軸)
- 本当に効く?(証拠)
- 失敗したら?(不安の解消)
- まず何から?(次の一歩)
逆に、よくある資料はこう始まります。
- 会社概要
- 製品ラインナップ
- 仕様表
- 性能グラフ
これだと、相手の頭の中では「で、何が嬉しいの?」が解決しないままページが進みます。
ストーリー化の前にやること:読み手を3人に分ける
BtoB資料は、実は「読む人」が1人じゃありません。最低3人いる前提が安全です。
- 現場:使える?手間増えない?止まらない?
- 技術:根拠は?条件は?規格や安全は?
- 購買・管理:コストは?供給は?リスクは?
ここで一番の落とし穴は、1つの本文で全員を満足させようとして、全部が薄くなることです。
おすすめはこれです。
- 本文:意思決定者が読んで“前に進む”ストーリー
- 付録:技術の細かい根拠・データ・条件
これが刺さる「価値ストーリー7ステップ」
資料の骨格は、まずこれで作ると崩れません。
ステップ1:相手の“あるある課題”を一文で言う(共感)
テンプレ
- 「◯◯工程で、△△が原因で□□が起きやすい」
例
- 「溶剤工程で、乾燥ムラが原因で外観NGが出やすい」
ポイントは“相手の言葉”で言うこと。自社用語は後回し。
ステップ2:放置すると何が起きるか(損失・リスク)
数字が完璧じゃなくてもOKです。BtoBは“最悪”が刺さります。
テンプレ
- 「この問題は、◯◯(コスト/停止/クレーム/安全/監査)につながる」
例
- 「外観NGは手戻り工数だけでなく、出荷遅延やクレームにつながる」
ステップ3:原因を1つに絞って見せる(理解)
原因を10個並べると、相手は考えるのをやめます。
“今この資料で扱う原因はこれ”と絞るのがコツです。
テンプレ
- 「原因はいくつかありますが、今回の核心は◯◯です」
ステップ4:理想の状態(ゴール)を決める(判断軸)
相手が欲しいのは「製品」ではなく「成功した状態」です。
テンプレ
- 「目指す状態は、◯◯を△△にすることです」
例
- 「目指す状態は、乾燥ムラを抑えて外観NG率を安定的に下げることです」
ステップ5:解決策の選び方(比較軸)を先に渡す(フェア感)
ここをすっ飛ばして「うちが最強です」と言うと、信頼が下がります。
テンプレ
- 「選定基準は主に3つです:①◯◯ ②△△ ③□□」
製造業で強い基準の例
- 再現性(条件が変わっても安定するか)
- 工程負荷(手間・設備改造が増えないか)
- 供給・安全・規格(監査や法令に耐えるか)
- 総コスト(材料単価だけでなく歩留まり・停止を含む)
ステップ6:自社の強みは「比較軸に対して勝つ理由」で語る(証拠)
ここで初めて、自社製品や技術の話をします。
ただし語り方は「性能すごい」ではなく 比較軸に対して勝つ です。
テンプレ
- 「基準①に対しては◯◯が効きます。理由は△△です」
そして証拠は、次の3点セットが強いです。
- 原理:なぜ効くのか(仕組み)
- データ:どれだけ効くのか(結果)
- 再現性:どんな条件で効くのか(注意点まで)
※「条件を書かないデータ」は逆に不信感を生みます。
ステップ7:導入の不安を先回りで消す(背中押し)
BtoBで最後に止まるのは、だいたいここです。
不安はパターンが決まっています。
- コスト(予算に合う?)
- 手間(現場が回る?)
- 切替リスク(止まったら?)
- 供給(安定供給できる?)
- 責任分界(何が起きたら誰の責任?)
テンプレ
- 「導入時の不安は◯つあります。順に潰します」
手順で作る:営業資料ストーリー化の作り方(そのまま使える)
ここからは、実際の作り方です。資料をゼロから作るより、既存資料を“上から貼り替える”感覚でいけます。
手順①「損失」を言語化する(数字がなくてもOK)
まずは損失を1枚で書きます。これは資料の背骨です。
損失の型(例)
- 品質:クレーム、再加工、歩留まり低下
- 生産:ライン停止、立上げ遅れ、リードタイム悪化
- 安全:火災、漏えい、健康影響、監査指摘
- 管理:属人化、手順バラバラ、教育コスト
数字がないときの書き方
- 「頻度(たまに/定期的に)」
- 「幅(軽微〜重大)」
- 「最悪ケース(止まる/出荷できない)」
この3つで十分、リアルになります。
手順②「判断基準」を先に置く(比較表は後)
比較表や仕様表は、判断基準がないと読めません。
だから、比較表の前に基準を置きます。
判断基準3点テンプレ
- 「選定基準は①再現性 ②工程負荷 ③供給・安全です」
ここまで書けると、相手は「なるほど、その軸で読めばいいのね」となります。
手順③ 証拠は「原理→データ→再現性」の順で出す
ありがちな失敗は、いきなりグラフを貼ることです。
先に一行で“意味”を置きます。
証拠ブロックのテンプレ
- 原理:なぜ効くか
- データ:どれだけ効いたか(グラフ1枚)
- 再現性:条件・前提・注意点(これが信頼)
手順④ 不安つぶしは「導入手順」を書けば9割解決する
導入の不安は、「やり方が見えない」から生まれます。
だから、導入手順を短く書きます。
導入手順テンプレ(例)
- 小スケールで相性確認(条件すり合わせ)
- 現場で短期テスト(評価項目を合意)
- 段階導入(止めない設計)
- 定着サポート(手順書・教育)
“1枚目”で勝つ:冒頭スライドのテンプレ
BtoB資料で一番大事なのは、実は1枚目です。
ここで「読む価値」を作れます。
1枚目テンプレ(3行でOK)
- 課題:◯◯工程で△△が起きやすい
- 原因:核心は□□にある
- 解決:□□を改善し、結果として△△を減らす
注意:1枚目に製品名を出さない方が刺さりやすいです。
まず相手の世界から始めます。
ミニ事例:化学・素材BtoBのストーリー例
例として「洗浄剤(溶剤)置換」をストーリーにするとこうなります。
- 課題:洗浄後に微量残渣が残り、後工程で不良が出る
- 損失:手戻り増、ライン停止、納期遅延リスク
- 原因:乾燥性と濡れ性のバランスが崩れている
- ゴール:残渣を減らし、工程を安定化する
- 判断基準:再現性/工程負荷/安全・規格
- 証拠:原理(残渣が減る仕組み)→データ→条件
- 不安:切替時の評価手順と段階導入で潰す
この形にすると、「性能が良い」より「納得して前に進める」資料になります。
よくある失敗:ストーリーが崩れる瞬間
- 情報を詰めすぎて、相手が読むのをやめる
- 途中で自社語り(会社紹介、沿革)に戻る
- グラフだけで、条件や前提が書いてない
- 導入手順がなく、最後に“検討します”で終わる
まとめ:刺さる営業資料は「相手の順番」で作る
- 刺さる資料は、課題→損失→判断基準→証拠→不安→次の一歩の順
- 比較表の前に「判断基準」を置くと、一気に読みやすくなる
- 証拠は「原理→データ→再現性」で信頼が上がる
- 最後は導入手順を書けば、止まっていた案件が進みやすい
\ BtoB製造業の営業資料が「刺さらない」と感じたら /
性能や仕様はそのままに、価値が伝わる順番(ストーリー)に組み替えます。
- 製品説明・営業資料のストーリー設計(課題→判断軸→証拠→不安つぶし)
- 技術内容の“誤解ゼロ”アニメーション化(現場・技術・購買に同時に伝わる)
- 新人研修・技術教育(説明の標準化で属人化を解消)
- 安全教育/危険物・毒劇物の教育
- ISO教育の標準化(監査に耐える資料づくり)
制作の流れ・料金表・サンプル動画はこちら
https://bake-gaku.net/vyond-chemistry-animation/

