この記事のゴール(30秒)
- 有機化合物=炭素Cの骨格に、性格パーツ(官能基)が付いたもの。
- 形(鎖・輪・芳香族)と結合の強さ(単・二・三)で“土台”が決まる。
- 名前はアルカン=単結合/アルケン=二重/アルキン=三重をまず覚える。
有機化合物ってなに?(まずは身近さから)
- 定義:炭素Cが中心の化合物。ふつう水素Hがつき、酸素O・窒素N・ハロゲンなどが加わる。
- 身近な例:砂糖、油、香り、プラスチック、医薬品…生活のほとんどが有機。
- イメージ:C(炭素)のレゴ棒=骨格に、働きを決める小物パーツ=官能基を付け替える感じ。
土台①「形」で分ける(見た目のちがい)
区分 | どんな形? | 例とひとこと |
---|---|---|
鎖式 | ひも状(まっすぐ/枝分かれ) | プロパン C₃H₈:ふつうの“ひも” |
環式 | わっか状 | シクロヘキサン:ぐるっと輪 |
芳香族 | ベンゼン環(六角形)をもつ特別枠 | ベンゼン・トルエン:六角形が目印 |
合言葉:鎖・輪・ベンゼン。ベンゼン=“六角形+中に丸”の図。
土台②「結合のちがい」で分ける(手つなぎ本数)
名前 | C–Cの手つなぎ | 反応のしやすさ |
---|---|---|
アルカン | 単結合だけ | おとなしい(飽和) |
アルケン | 二重結合あり | ちょっと反応しやすい(付加など) |
アルキン | 三重結合あり | さらに反応しやすい |
官能基=“性格パーツ”(ここだけ先に)
パーツ(官能基) | 代表例 | 性格イメージ |
---|---|---|
–OH(ヒドロキシ) | アルコール(エタノール) | 水と仲良し |
–NH₂(アミノ) | アミン/アミノ酸 | 塩を作りやすい |
–COOH(カルボキシ) | カルボン酸(酢=酢酸) | 酸性 |
C=O(カルボニル) | アルデヒド/ケトン | 反応の入口になりやすい |
–COO–(エステル) | エステル | よい香りのもの多い |
まずは –OH/–NH₂/–COOH/C=O の4つだけでOK。
「何が付いている?」=性格を当てる鍵。
式の見方(同じ物でも表し方が変わる)
- 分子式:原子の数だけ →
C₂H₆O
(中身が分かるけど“性格”は見えない) - 示性式:官能基が見える →
CH₃CH₂OH
(アルコールだと一目で分かる) - 構造式:結合を1本1本描く(つながりを確認)
例:エタノール
分子式 C₂H₆O
→示性式 CH₃CH₂OH
→ 「–OH がある=アルコール!」
よくある勘違いを秒で修正
- 「有機=生き物だけが作る」 → ×。工場や実験室でも普通に作れる。
- 「芳香族=必ずよい香り」 → ×。歴史的な名前で、実際は香りと無関係なものも多い。
- 「炭化水素=全部おなじ」 → ×。**形(鎖/輪/ベンゼン)×結合(単/二/三)**で性質が変わる。
まとめ
- 有機化合物=Cの骨格+官能基。
- 土台は形(鎖・輪・芳香族)と結合(単・二・三)で決まる。
- –OH/–NH₂/–COOH/C=Oを見つければ、性格の当たりがつく。