この記事でわかること
- 水素の作り方(実験室/工業)
- 水素のはたらき(還元剤・化学原料・燃料電池)
- 反応しにくい貴ガスの性質と用途
水素ってどんなやつ?(イメージ先行)
- 世界最軽の気体。風船が浮くのはコレ。
- 無色・無臭。燃えると水だけになる:
2H₂ + O₂ → 2H₂O
- だから使うときはクリーン(排出が水だけ)。
※ただし作り方によってはCO₂が出る。ここが“現実ポイント”。
一言で:軽い・よく燃える・使うと水になる“シンプルな仕事人”。
水素はこう作る(覚え方=「金属+酸/メタン+水蒸気」)
実験室(少量・学校の世界)
- 金属+酸 → 水素がプクプク
例:Zn + 2HCl → ZnCl₂ + H₂
Fe + H₂SO₄ → FeSO₄ + H₂
ゆっくり反応する金属を選ぶ=安全第一。
工業(大量・工場の世界)
- メタン(天然ガス)+水蒸気 → H₂がドサッと出る(水蒸気改質)
CH₄ + H₂O → CO + 3H₂
できた CO+H₂ は水性ガスと呼ばれ、いろんな合成の出発点。
一行暗記:
「少量は金属+酸、大量はメタン+水蒸気」
3. 水素はどこで使う?(“3大ジャンル”だけでOK)
① 還元剤(酸素を“はぎ取る”係)
- 黒い酸化銅が赤い銅に戻る実験:
CuO + H₂ → Cu + H₂O
※ Al₂O₃/MgOみたいな強い酸化物は戻しにくい(ここは例外として覚える)。
② 化学工業の原料(材料の種)
- アンモニア(肥料ほか):
N₂ + 3H₂ → 2NH₃
- メタノール(プラ・溶剤):
CO + 2H₂ → CH₃OH
- 塩化水素:
H₂ + Cl₂ → 2HCl
③ エネルギー(燃料電池)
- 使うと水だけになるから使う側はクリーン。
- 車・家庭用発電などで実用化。
- 作る段階のCO₂は“作り方次第”と理解しておく。
4. 貴ガスって?(18族=“おとなしいメンバー”)
- He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn(周期表18族)
- 電子配置が安定(閉殻)→ほぼ反応しない
- 単原子の気体として存在(分子を作らない)
- 空気中ではArが約1%で比較的多い
イメージ:化学反応の“パーティ”に来ても静かに見守る来賓。邪魔をしない=用途が広い。
よく出る用途だけ覚える
- ヘリウム He:超低温(4.22 K)。液体HeはMRIや実験の冷却/風船
- アルゴン Ar:溶接のシールドガス(金属が酸化されないよう保護の空気で包む)
- (+α)ネオン Ne:ネオン看板の光
5. よくある勘違いをサクッと修正
- 水素=完全に環境にやさしい?
→ 使うときは◎。でも製造方法によってはCO₂が出る。 - 貴ガスは何もしないから役立たない?
→ 反応しないからこそ“守る・満たす”役で重要(溶接保護・冷却・照明など)。
6. まとめ(3行だけ)
- 水素は軽い・燃える・水になる。少量=金属+酸/大量=メタン+水蒸気
- 使いみち:還元剤/化学原料/燃料電池(“使う時クリーン”をセットで)
- 貴ガス=18族で不活性。He=冷やす/Ar=守る(溶接)/Ne=光る
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